【医師監修】疲労回復のカギはこの2つだった! 手軽に取り入れられる方法も紹介

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疲労が蓄積すると、仕事のパフォーマンスに影響する可能性があります。疲労回復のためには、休養、運動、食事の3つが重要です。日常生活と密接に関わるこの3つのポイントを意識することで、身体や脳の疲労は回復します。この記事では、疲労回復のメカニズムや疲労が取れない原因、さらには疲労回復の方法などについて紹介します。

この記事の監修医師

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松田明子先生/ビューティーコネクション銀座クリニック院長

専門は美容皮膚科、腎臓内科、内科。東京女子医科大学卒業。大学病院、都内総合病院勤務を経て2017年都内美容クリニック院長に就任。2020年よりビューティーコネクション銀座クリニック院長就任。

疲労のメカニズムと種類

疲労の種類は、大きく2つに分けられます。疲労を回復するには、今の自分に合った対策をすることが大切です。まずは、疲労が起こるメカニズムと種類を確認しましょう。

疲労が起こるメカニズム

疲労のメカニズムはまだ研究段階ですが、徐々に解明されつつあります。それは、運動によって身体にかかる負荷や心身のストレスなどが影響することです。例えば、運動によって身体にかかる負荷が大きくなるほど、自律神経の中枢にかかる負荷も大きくなります。そして、自律神経の中枢がある脳がダメージを受けることで、疲労が発生するのです。
また、人はストレスを感じると自律神経が乱れてしまいます。自律神経は、呼吸、心拍、体温、血液循環、消化吸収など、人間の生命活動のバランスを整えている神経です。自律神経が乱れると、その信号が脳に送られて疲労感として伝わるため「疲れた」と感じます。

疲労の種類と主な症状

疲労は大きく分けて末梢性疲労と中枢性疲労の2種類があり、それぞれ原因や症状が異なります。
① 末梢性疲労
脳以外の身体の機能低下です。主に運動などによる筋肉疲労や、パソコン作業などによる眼精疲労などが該当します。
② 中枢性疲労
ストレスや緊張など、精神的な疲労や生活習慣の乱れなどから起こる脳の機能低下です。なかには病気が原因の場合もあります。
主な症状としては、集中力や思考力の低下や頭痛、倦怠感、肩こり、不眠などが挙げられます。

疲労軽減のために、知っておくべき4つの原因

疲労が取れない原因は、日常生活の中に潜んでいます。なぜ疲労が蓄積してしまうのか、その原因を紹介します。何気なく過ごしている毎日を、ここで一度見直してみましょう。

睡眠不足による疲労の蓄積

私達の身体は、寝ている間に分泌される成長ホルモンによって細胞の修復が行われます。睡眠が不足すると、この細胞の修復や再生が十分に行われなくなるため、結果的に疲労がなかなか回復しにくくなるのです。
また、睡眠不足はストレスの原因にもなるため、ストレスと疲労が重なり悪循環に陥る可能性も考えられます。その他、日中さまざまな情報が入り、フル稼働している脳を休ませるためにも睡眠は重要です。

運動不足による血行不良

運動不足は新陳代謝の低下を引き起こす原因の一つです。それによって血流や水分の循環などが悪化し、疲労につながるケースがあります。また、仕事などで同じ姿勢をとり続けることが多い人も、筋肉のコリが起こりやすく、そこから疲労につながるケースも多いでしょう。

膨大な情報処理による脳の機能低下と眼精疲労

現代では、パソコンやスマートフォン、タブレットなど、仕事でもプライベートでも電子機器を使う機会が多々あります。このような電子機器は便利である一方、脳の機能低下の原因にもなり得ます。
これは、電子機器から膨大な量の情報を得ることにより、脳が情報過多となって情報処理能力が低下するためです。脳が機能低下の状態になると、うっかりミスが増えたり、感情のコントロールがきかなくなったりなどの悪影響が出てきます。

食生活の乱れ

食生活の乱れにより、うまく疲労の解消ができずに慢性化することもあります。疲労を解消するために必要なビタミン類の不足、糖質のとりすぎ、朝食を抜く生活などは、疲労の蓄積につながる可能性があります。
栄養バランスのいい食事はもちろんですが、なるべく一定の時間に食事をすることも、生活リズムを整える意味で重要と言えるでしょう。

疲労回復のために意識するべき2つの方法

疲労回復のためには、休養、運動が大切です。できることから、少しずつ生活に取り入れてみてください。

① 休養をとり、リラックスする

睡眠は疲労回復の基本にして、最も重要な方法です。ベストな睡眠時間は決まっていませんが、6~8時間ほどを目安にすると良いでしょう。また、睡眠時間は長ければ良いわけではなく、質の良い睡眠をとることが大切です。例えば、スマートフォンやパソコンなどの画面から発せられるブルーライトは脳を刺激してしまうため、寝る1時間前からは見ないようにして、睡眠に入る準備をしましょう。また、寝る前にぬるめのお風呂に入れば、心身をリラックスさせる副交感神経が優位になり、寝つきが良くなります。他にも、寝る前に瞑想やアロマなどでリラックスしながら心身の調子を整えるのもおすすめです。

② 身体を動かす

適度に身体を動かすことも、疲労回復に有効です。運動によって新陳代謝が活発になれば、血流が良くなり、筋肉に溜まった老廃物なども流れていきやすくなります。ジムに通うなど特別な運動をしなくても、通勤時や散歩などで30分前後のウォーキングをしたり、自宅でストレッチやヨガ、マッサージなどをしたりと、軽く行える運動で十分です。ストレッチやヨガは入浴後などに行うと、筋肉がやわらかくなっているので動かしやすいです。この時、身体をリラックスさせるためにも、ゆっくりと呼吸をしながら行うと良いでしょう。血液の巡りを良くするために、運動の際はいつもより意識的に水分補給をしてください。

疲労回復の方法を実践し、活力に溢れた毎日を送ろう

疲労回復のためには、質の良い睡眠や適度な運動、さらに栄養バランスを考慮した食事を心がけることが大切です。自分が継続できそうなことから始めて、すっきりした身体で最高のパフォーマンスを発揮しましょう。