【50代・判断力の低下を感じるなら】脳へ刺激を与え、判断力を強化する生活習慣を

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今までは即断即決していたのに、最近は会議やプライベートで判断力や決断力が低下した気がしませんか? 判断力はいろいろな脳の機能を使っているため、もしかしたら脳の機能が衰えているのかもしれません。本記事では判断力が低下する原因や脳機能を保つための生活習慣、判断力を強化する方法を紹介します。

判断力とは、どのような力なのか

一口に判断力と言っても、実は脳内では多くの機能を使う複雑な知的活動が行われ、その結果として物事を判断しています。ここでは判断力の意味と決断力との違い、判断力の低下が与える影響について見ていきましょう。

判断力とは『状況を認識し、分析する力』

判断力とは、物体を認識する空間認識や、集中・注意しながら2つ以上のことを一度に行う注意力など、いろいろな認知機能が合わさる能力を指します。認知機能は、空間認識や注意力の他にも、五感で認識した内容から情報を処理する、思考する、記憶するといった知的機能のすべての能力を指すことが多いです。
つまり、判断力とは遭遇した物事に対して、過去の経験や状況から冷静に分析などをする能力と言えるでしょう。

決断力との違いは意思決定すること

判断力と似た言葉に決断力がありますが、実は明確な違いがあります。判断力とは物事を認識して思考し、冷静に分析する能力です。一方の決断力は、判断した物事に最終的な意思決定をする能力であり、個人の意志が反映されます。
一般的に判断力と言われるのは、状況を判断して意思決定をする力、すなわち判断力と決断力の2つを合わせて指す場合が多いです。

判断力が低下するとうっかりミスが増える

判断力はさまざまな認知機能を使っていますが、それぞれの機能が低下して生活に支障が出ることも。例えば、集中力や注意力が低下してぼんやりする、ミスが増えるなどが挙げられます。今までできていたことがスムーズに進められなくなることも、判断力の低下で起こり得る事象です。

判断力が低下する主な原因5つ

判断力が低下する一番の原因は老化ですが、現代社会特有の問題も関係しています。脳の老化や脳への過度な負荷など、判断力が低下する主な原因を5つ紹介します。

1.脳の老化

判断力低下の一番の原因は、脳の老化です。一般的に30代ごろから脳は委縮し始め、60歳を過ぎるころから認知機能が徐々に衰えていくと言われています。判断力は脳にある前頭葉が機能することで働きます。前頭葉は言語や運動、感情を司る部分です。判断や分析、感情のコントロールなど、高度な脳機能を担っているので、前頭葉の機能が低下すると判断力も低下してしまうのです。

2.認知症

認知症は認知機能が低下する病気で、老化による物忘れとは別物です。脳の神経細胞が死滅したり壊死したりすることで、情報を処理できずに判断ができなくなっていきます。認知症は進行すると日常生活に支障をきたすため、気になることがあればかかりつけ医に相談しましょう。

3.脳への過度な負荷

脳へ過度な負荷がかかると、情報量に対して脳の処理が追い付かない、オーバーヒートのような状態になることがあります。これは、情報を処理する前頭葉の機能低下を引き起こしている状態とも言えます。脳へ過度な負荷がかかる大きな原因の一つに、パソコンやスマートフォンの利用で情報過多になっていることが挙げられます。

4.神経疾患

うつ病や統合失調症などの精神疾患にかかると、判断力が低下すると言われています。神経疾患は脳の伝達物質の異常によるものです。脳内の情報のやり取りが上手くできなくなると感情のコントロールが上手くできなくなり、認知機能の低下にも影響します。
なお、精神疾患を発症する原因は人それぞれです。遺伝だけではなく、日常生活のストレスなど、多くの要素が複雑に絡み合っています。

5.ケガやその他の病気

物事の判断には脳の認知機能が関わっているので、脳にダメージを受けると判断力が低下します。頭部のケガや脳出血といった脳の病気以外にも、生活習慣病なども脳にダメージを与えることがあります。特に、糖尿病などの血管に異常が出る病気は、脳血管にも脳の神経にも良くありません。

脳の老化を食い止め、判断力の低下を防ぐ生活習慣

判断力の低下は、脳の機能低下によって引き起こされるものです。そのため日頃から脳の機能を保つ習慣を身につければ、判断力低下の防止につながります。ここでは、脳の老化を防ぐ生活習慣を5つ紹介します。

バランスの良い食事をとる

身体に良い食事は、脳にも良いとされています。特に青魚やナッツ類は脳神経に良い効果があり、悪影響があった場合の修復にも役立つと言われる食材です。植物性食品は、神経細胞に必要なビタミンやミネラルが豊富なので、脳の働きを良くします。
ただし、いくら良い食材でも食べすぎにはご注意を。食べすぎは認知機能障害を招く恐れがあるという研究もあります。1日3食、バランスの良い食事を心がけましょう。

ウォーキングなどの適度な運動をする

軽い有酸素運動は、脳の健康に良いと言われています。適度な運動は、脳の記憶を司る領域の収縮を防ぐ効果が確認されているためです。1日30分程度のウォーキングや、サイクリングなどの有酸素運動が推奨されています。

知的な活動をして頭を使う

考えることも、認知機能向上に役立ちます。頭を使うような活動をすれば脳細胞をつなぐ神経ネットワークが増えて、認知機能が衰えにくくなります。楽器の演奏や語学の学習など、新しい知的な活動を始めると脳が活性化するので、興味があることにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

社会的なコミュニケーションを増やす

人との会話も脳の活性化につながります。地域の活動や趣味の集まりなど、社会的な活動を増やしてコミュニケーションの機会をたくさん持ちましょう。社会的に孤立してしまうとコミュニケーションをとる機会が減り、脳の働きが緩慢になる恐れがあります。

リラックスする

ストレスは、心身の不調や脳にも影響があると言われています。ストレスを抱えないためにも、意識的にリラックスする時間を設けるのがおすすめです。ストレス耐性を高めるには瞑想も良いと言われています。リラックスする時は、脳への過度な負担を減らすためにも、パソコンやスマートフォンを遠ざけておくと良いでしょう。

判断力・決断力を強化する方法

脳の老化を防ぐだけでなく、判断力や決断力を鍛える方法があります。ここでは日頃から意識して行うことで判断力を鍛えられる方法を紹介します。

客観的に考える

主観に頼り切らず、客観的に物事をとらえることが判断力を高めるのに有効です。脳には頭の中だけで考えると、ずっと同じ問題をループする癖があります。客観的に考えたい時は、紙に書き出すエンプティ・チェア法で、頭の中を整理してみてはいかがでしょうか。
エンプティ・チェア法とは、もともとは心理療法の手法です。当事者として相談する自分と、それにアドバイスする自分の2役を登場させて会話させることで、悩みを解消するステップを踏みます。エンプティ・チェア法を実践すると、自分自身を俯瞰できるようになるでしょう。

固定概念にとらわれない

「〇〇だから、××しなければならない」などの固定概念は、判断力を鈍らせる原因になります。日頃から固定概念に縛られないよう、自由な発想を心がける習慣を持つと良いでしょう。例えば本を読むなど、他人の価値観に触れる機会を持つことで、概念の柔軟性を保てます。

知識をインプットする

物事を判断するには経験も必要ですが、情報のインプットも不可欠です。情報や知識が大量にあれば、即断即決ができます。そのため日頃からニュースや本、芸術分野などに触れて知識や感性を磨き、多様な視点を持つ習慣を身につけることをおすすめします。

小さなことでも即断即決を癖にする

「今日のランチはどのメニューにしようかな」など、日常の中でちょっとした判断が必要になる場面は多くあります。そんな時は即断即決を心がけてください。これが判断力を鍛える良いトレーニングになります。
日常では、考えすぎても結論が変わらないことがほとんどです。判断して決断しないと、成功したのか失敗したのかわかりません。ちょっとしたことから即断即決の癖をつけて成功例を増やし、判断力を鍛えましょう。ただし、判断に必要な情報はしっかり事前に確認を。

判断基準を明確にする

固定概念にとらわれないことは重要ですが、判断基準はしっかり持っておきたいものです。自分の考えや意見を明確にしておけば判断もしやすくなります。譲れない信念や、最終的な目標を持つと良いでしょう。

日頃から脳を活性化させて判断力低下を防ごう

判断力の低下は、脳の老化が一番の原因です。老化は誰にでも起こりますが、日頃の習慣などで脳を若く保つことはできます。判断力が低下してきたと悩んでいるなら、まずは手軽に取り入れられる対策に取り組んでみてはいかがでしょうか。