キレのあるアタマとカラダ
言葉が出てこないのは病気以外の可能性も。脳を鍛えるトレーニング方法と生活習慣
「最近言葉がなかなか出てこなくなった」と不安に感じている人もいるのではないでしょうか。病気を疑う前に、さまざまな可能性を考えてみましょう。もしかしたら、脳への負荷が原因かもしれません。本記事では言葉が出てこない場合に考えられる原因、脳を鍛える方法や頭の回転をスムーズにするための方法を紹介します。
- 言葉が出てこない時に考えられる病気以外の原因
- 加齢による前頭葉の機能低下
- 生活習慣の乱れによる記憶力の低下
- 脳へ過度な負荷がかかることによる物忘れ
- 言葉が出てこない時に病院を受診する目安
- 手足のしびれ、舌のもつれなどの症状も出ている
- 言葉が出てこない症状が進行している
- 言葉が出てこない時の対策(1)生活習慣を見直す
- 3食しっかり食事をとる
- 適度に身体を動かす
- 過度な労働を避ける
- 質の良い睡眠をとる
- 言葉が出てこない時の対策(2)脳のトレーニングをする
- 人の話をしっかり聞いて理解する
- 日頃からアウトプットを意識する
- 日記を書く
- 指先のトレーニングを行う
- 言葉が出てこない時は、適切な方法で脳の機能を改善させよう
言葉が出てこない時に考えられる病気以外の原因
言葉が上手く出てこなくなると病気のサインと考えがちですが、そうとは限りません。まずは、言葉が出てこない場合に考えられる主な原因を見ていきましょう。
加齢による前頭葉の機能低下
脳の前頭葉は言語活動も司る部分です。加齢に伴う前頭葉の機能低下により、言葉が出にくくなることがあります。脳の神経細胞は20歳を超えると減少し始めます。その結果、30歳を過ぎたあたりから前頭葉に影響が出てくる場合があるのです。
また、加齢によって脳の萎縮が進み、前頭葉の機能低下につながることもあります。脳の萎縮は神経細胞の減少が原因だという説もありますが、それが直接な原因とは確定していません。脳の血流の低下が原因という説もあります。
また、加齢によって脳の萎縮が進み、前頭葉の機能低下につながることもあります。脳の萎縮は神経細胞の減少が原因だという説もありますが、それが直接な原因とは確定していません。脳の血流の低下が原因という説もあります。
生活習慣の乱れによる記憶力の低下
生活習慣の乱れも言葉が出てこない原因になり得ます。睡眠不足が続くなど生活習慣が乱れると前頭葉の機能が落ち、記憶力の低下につながるのです。そのような状態では記憶を司る海馬も機能しづらくなるため、言葉が出にくくなります。
なお、生活習慣が乱れると自律神経のリズムも狂いやすくなります。自律神経が乱れると、集中力や注意力、記憶力の低下など、さまざまな症状が表れてくるので注意が必要です。
なお、生活習慣が乱れると自律神経のリズムも狂いやすくなります。自律神経が乱れると、集中力や注意力、記憶力の低下など、さまざまな症状が表れてくるので注意が必要です。
脳へ過度な負荷がかかることによる物忘れ
脳に過度な負荷がかかると脳がオーバーヒート状態になり、言語を司る機能が低下します。これが脳への負荷による物忘れです。あまりにも多忙になると、仕事に集中するあまり記憶力が低下し、物忘れが発生することも。脳に過度な負荷がかかるゆえの物忘れは、脳への負荷を軽減することで改善が期待できるでしょう。
言葉が出てこない時に病院を受診する目安
言葉が出てこなくなったからといって、必ずしも病気の予兆であるとは限りませんが、物忘れは脳に関わる疾患の影響で発生している場合もあります。脳梗塞や認知症などは早期発見・早期治療が非常に重要なので、言葉が出てこない他に気になる症状があったり、不安が大きかったりする場合は病院を受診した方が安心です。ここでは、言葉が出てこない時に病院を受診する目安を紹介します。
手足のしびれ、舌のもつれなどの症状も出ている
脳梗塞が起きる前兆として、言葉が出てこなくなったり、舌がもつれて呂律が回らなくなったりすることがあります。しびれや頭痛、めまい、吐き気、耳鳴りなどの症状も身体からのサインです。
なお、脳梗塞は早期治療が何より重要ですので、突然症状が表れた場合は躊躇せずに救急車を呼びましょう。受診科は脳神経外科や神経内科などです。
なお、脳梗塞は早期治療が何より重要ですので、突然症状が表れた場合は躊躇せずに救急車を呼びましょう。受診科は脳神経外科や神経内科などです。
言葉が出てこない症状が進行している
言葉が出てこない症状が進行している場合は、認知症(前頭側頭型認知症)の恐れがあります。認知症の初期症状として、知っているはずの言葉が分からなくなることがあります。さらに進行すると、よく使う言葉さえ分からなくなったり、せん妄やうつなどの症状が出たりすることも。このケースの受診科は、精神科や脳神経内科、物忘れ外来などです。
認知機能の簡単なチェック項目は、以下を参考にしてください。
認知機能の簡単なチェック項目は、以下を参考にしてください。
こんなこと、ありませんか?
□ さっき言われたことを忘れてしまう
□ 注意力や集中力がない
□ 物や人の名前が出てこない
□ 一つのことにこだわりやすい
□ やる気が起こらない
□ 落ち込むことが多い
□ 元気がない
□ 怒りっぽい
□ 人との約束を忘れることがある
□ 昨日の食事を思い出せない
□ 物を覚えることが難しい
□ さっき言われたことを忘れてしまう
□ 注意力や集中力がない
□ 物や人の名前が出てこない
□ 一つのことにこだわりやすい
□ やる気が起こらない
□ 落ち込むことが多い
□ 元気がない
□ 怒りっぽい
□ 人との約束を忘れることがある
□ 昨日の食事を思い出せない
□ 物を覚えることが難しい
1つでも当てはまるものがあれば注意が必要なので、チェック結果によっては病院の受診を検討してみてはいかがでしょうか。
言葉が出てこない時の対策(1)生活習慣を見直す
脳への過度な負荷を解消し、頭の回転をスムーズにするための方法を紹介します。脳機能の改善には生活習慣の見直しが有効です。主にどのような点を意識すべきか見ていきましょう。
3食しっかり食事をとる
食事を3食しっかりとることで、自律神経のリズムを整えられます。血糖値が乱高下すると自律神経に影響し、さまざまな症状が出る可能性があるので要注意です。糖質過多の食事にならないよう、バランスにも気を配りましょう。
また、朝食をとることは身体を目覚めさせる意味でも重要です。
また、朝食をとることは身体を目覚めさせる意味でも重要です。
適度に身体を動かす
デスクワークなどで同じ姿勢をとり続けると、身体が凝り固まって疲れが溜まりやすくなります。疲労の蓄積はストレスにもつながりますので、たまに席を立つ、姿勢を変えるなどして適度に身体を動かすようにしましょう。
その他、ストレッチやウォーキングなど、汗をかかない程度の運動を適度に行うのもおすすめです。自律神経の調整、ストレス解消などの効果が期待できます。
その他、ストレッチやウォーキングなど、汗をかかない程度の運動を適度に行うのもおすすめです。自律神経の調整、ストレス解消などの効果が期待できます。
過度な労働を避ける
いくら働き盛りの世代であっても、心身の調子を崩すほど仕事に打ち込むのは本末転倒です。働き過ぎると脳がオーバーヒートしかねません。何をするにも健康が資本ですから、過度な労働はなるべく避けるのが理想です。上手に息抜きしながら、ほどほどに働くことをおすすめします。
また、仕事をしていて“飽きた”と感じたら脳が疲れているサインです。そのような時は違う作業をする、休憩をとるなどしてリフレッシュしてください。
また、仕事をしていて“飽きた”と感じたら脳が疲れているサインです。そのような時は違う作業をする、休憩をとるなどしてリフレッシュしてください。
質の良い睡眠をとる
十分な睡眠時間を確保し、寝不足にならないようにします。6~8時間を目安に、質の良い睡眠をとるよう心がけましょう。
睡眠の質を向上するポイントの1つは、入浴のタイミングです。人は深部体温(身体の内部の体温)が下がると、眠気が訪れます。就寝2時間前までに入浴し、一時的に深部体温を上げると、ちょうどベッドに入るころに下がり始め寝つきが良くなります。
なお、寝る前は電子機器の画面を見ないようにすることも大切です。脳が覚醒し、睡眠の質を下げてしまいます。
睡眠の質を向上するポイントの1つは、入浴のタイミングです。人は深部体温(身体の内部の体温)が下がると、眠気が訪れます。就寝2時間前までに入浴し、一時的に深部体温を上げると、ちょうどベッドに入るころに下がり始め寝つきが良くなります。
なお、寝る前は電子機器の画面を見ないようにすることも大切です。脳が覚醒し、睡眠の質を下げてしまいます。
言葉が出てこない時の対策(2)脳のトレーニングをする
言葉が出てこなくなった状態を改善するには、脳を鍛えることも大切です。日常生活の中でできるトレーニング方法を紹介します。
人の話をしっかり聞いて理解する
人の話をしっかり聞いて理解力を高めることで、頭の回転をスムーズにできます。すらすらスムーズに話している人の話をよく聞き、話し方を観察して真似れば、自分も言葉が出やすくなっていくでしょう。
日頃からアウトプットを意識する
得た情報はインプットのみで終わらせずに、アウトプットまで行うことが大切です。言葉にしてアウトプットすることで、思考の整理もできます。考えることが少なくなると言葉が出にくくなるので、日頃からアウトプットを意識してください。人の名前や物の名前など、新しく知った言葉を積極的に会話の中で発することを習慣にすると良いでしょう。
日記を書く
日記を書くことも良いトレーニング方法です。今日何があったかを思い出しながら書き留めることで、脳の記憶に関する部位が鍛えられます。情報を記憶して思い出すことが脳のトレーニングになるため、あえてメモを持たずに買い物をするのも良い方法です。
指先のトレーニングを行う
指には脳につながる神経が集中しており、「第二の脳」とも言われています。指先を動かすトレーニングを行えば、脳に刺激が伝わって鍛えられます。指を握ったり閉じたり、それぞれの手で同時に違う指を立てたりと、手軽なトレーニングをこまめに行いましょう。
また、ゲームやパズル、折り紙など、指先を使った作業や遊びなどもおすすめです。
また、ゲームやパズル、折り紙など、指先を使った作業や遊びなどもおすすめです。
言葉が出てこない時は、適切な方法で脳の機能を改善させよう
言葉が出てこない原因はさまざまです。加齢、生活習慣の乱れ、脳への負荷、病気など、何が原因なのかを考え、適切な方法で対処することが大切です。頭の回転をスムーズにする方法は難しいものではなく、どれも日常の中ですぐに意識できます。この記事を参考にしながら、自分に合った方法は何か考えてみてはいかがでしょうか。