話し上手な人は、複数のことを同時に行う「ワーキングメモリ」が高いと言われています。話しながらも、情報の整理と記憶をしているのです。そこで今回は、話し上手な人の特徴やワーキングメモリとの関係、気軽に取り入れられるトレーニング法などを紹介します。
- 話し上手な人の4つの特徴
- 結論から伝え、話す内容が整理されている
- 相手に合わせて話ができる
- 事実と自己解釈を分けて話せる
- 話す話題が豊富である
- 話し上手になるにはワーキングメモリがカギ
- ワーキングメモリとは『生活に関わる情報処理能力』
- 話し上手な人はワーキングメモリの働きが活発
- 脳に負荷がかかるとワーキングメモリの働きは低下する
- 話し上手になる5つのトレーニング方法
- 会話の機会を増やす
- 積極的に新しいことにチャレンジする
- 感情とともに記憶する
- 日々の記録をつける
- 柔軟性を鍛える
- ワーキングメモリの働きを活性化するのにおすすめの栄養素&レシピ
- 認知機能の改善に役立つ「イミダゾールジペプチド」
- イミダが摂れるおすすめレシピ「鶏肉のミートパスタ」
- ワーキングメモリの働きを活性化させて話し上手になろう
話し上手な人の4つの特徴
話し上手な人には、共通して見られるいくつかの特徴があります。まずは、話し上手な人の特徴から見ていきましょう。
結論から伝え、話す内容が整理されている
話し上手な人は、会話の最初で結論から伝えます。他にも、次のように内容を整理しながら伝えられるのも話し上手な人の特徴と言えるでしょう。
- 最初に話の全体像を決めて順番に話す
- 主語や前提、自分の意見を明確にして話す など
話の組み立てが上手くいっていないと、聞いている方は相手が何を言いたいのかよく理解できませんよね。特に専門的な難しい話は、全体像を最初に伝えてから細かい内容を話すことが大切です。話し上手な人は自然とそのように話しているので、相手は内容を具体的にイメージできて理解しやすくなります。
相手に合わせて話ができる
話を聞く相手が理解しやすいよう配慮しながら次のような話し方をするのも、話し上手な人の大きな特徴です。
- 相手のリアクションに合わせて難しい言葉を分かりやすい言葉に言い換える
- 話すスピードをコントロールする など
また、話し上手な人はその状況に応じた会話量のバランスも分かるため、自分だけが話すのではなく相手の話を聞くのも得意な傾向にあります。
事実と自己解釈を分けて話せる
話し上手な人の特徴として、『事実』と『自分が感じた解釈』を区別して相手に話せることも挙げられます。具体的には「相手の人は○○と話していました。しかし、私の感触としては△△だと思います。」といったものです。
一方で、事実に自己解釈を混ぜて伝えてしまう人の場合は、誤った事実として相手に伝わってしまう可能性があります。事実と自己解釈を分けて伝えることは、会話だけでなく人間関係や仕事の業務を円滑に進める上でも重要です。
話す話題が豊富である
話し上手な人は、話題が豊富です。どのような話題が出ても臨機応変に話せたり、相手に合わせて話題を選んだりできます。また、会話の流れや場の雰囲気に合わせた内容の提供も得意です。次々と話題を提供しながらも、一つの話を上手にまとめられるのも素晴らしい特徴です。
話し上手になるにはワーキングメモリがカギ
話し上手な人にはさまざまな特徴がありますが、なかでもワーキングメモリの働きが活発であることが挙げられます。ここでは、話し上手とワーキングメモリの関連性を解説します。
ワーキングメモリとは『生活に関わる情報処理能力』
ワーキングメモリとは、脳に入ってきた情報を一時的に記憶し、過去の情報と結びつけながら必要なことを取捨選択したり、複数のことを同時に考えて実行したりする脳の機能のことを指します。「脳のメモ帳」とも呼ばれており、会話・読み書き・計算など、日常的に行う動作はワーキングメモリが関わっていると言われているのです。
話し上手な人はワーキングメモリの働きが活発
話し上手な人が頭の回転が速く会話に上手に対応できるのは、ワーキングメモリの働きが活発だからと考えられます。会話に必要な情報や記憶などの処理が、ワーキングメモリによって正しくスピーディーに行われているため、話をスムーズに展開できるのです。
<ワーキングメモリの働きが活発な人の特徴>
- 内容を整理した上で分かりやすい話をする
- 相手の話に的確な返答をする
- 相手のリアクションに合わせて話を進める
なお、話し上手な人の特徴とも言えるワーキングメモリの働きは、トレーニングによって活性化を促せます。
脳に負荷がかかるとワーキングメモリの働きは低下する
スマホやテレビなどからの情報量が多い現代では、脳が情報過多の状態になりやすく、脳の作業量が増えます。そうして脳に負荷がかかると、ワーキングメモリの働きが低下する可能性があるので注意が必要です。ワーキングメモリの働きが低下すると、脳の回転が鈍くなったり生産性が低下したりして、会話がちぐはぐになってしまうこともあります。
話し上手になる5つのトレーニング方法
話し上手になりたい人は、ワーキングメモリの働きを活性化させましょう。日々の生活に取り入れられる、簡単なトレーニング方法を5つ紹介します。
会話の機会を増やす
ワーキングメモリの働きを活性化させて話し上手になるには、実際に多くの会話を行うことが大切です。顔を合わせて話すという経験によって上手な会話のテクニックが磨かれ、ワーキングメモリも良く働くようになります。会話をする機会が少ない場合は、仕事関係の集まりに参加する、友達と多く交流を持つなど、人と積極的に関わっていきましょう。
積極的に新しいことにチャレンジする
いつも同じことを繰り返すばかりでは思考や動作がマンネリ化して、ワーキングメモリの働きが鈍くなります。ワーキングメモリの働きが活発になるよう鍛えるなら、積極的に新しいことにチャレンジし、刺激を受けることが大切です。読んだことのない本を読む、新聞で新しい情報を得るなど、日々の小さなことでも良いのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
感情とともに記憶する
「嬉しかった」「悔しかった」など、感情とともに記憶することもワーキングメモリの働きを活性化させる良い方法です。感情とともに記憶することで、会話をしている中で過去の話につなげられ、新たな話題を提供できます。なお、より細かく分類しながら記憶すると思い出しやすくなるでしょう。
<感情とともに記憶した時の例>
- 嬉しかった話をしている時に過去の体験を思い出し、昔あった嬉しかった話を展開できる
- 悔しかった話をしている時に過去の経験を思い出し、その時の対処法を伝えられる
日々の記録をつける
会話は情報をインプットし、言葉としてアウトプットすることで成り立ちます。すなわち、ワーキングメモリのトレーニングも、インプットとアウトプットの両方を行うことが重要です。
このトレーニングとしておすすめなのは、日記やブログなどをつける方法です。1日の中でさまざまな情報をインプットした後に、アウトプットとして日記をつけると良いでしょう。この方法は、自分にとって必要な情報を整理するトレーニングにもなります。
また、ブログの場合は読者がいるため、相手に分かりやすく情報をまとめて伝える工夫をする点が、より会話に近いアウトプット方法と言えます。
柔軟性を鍛える
パズルや謎解きなどのゲームも、ワーキングメモリの働きを活性化させるトレーニングになります。規則的なことよりも、その状況に応じて考えたり判断したりする柔軟性が大切なのです。また、パズルやゲームなどをクリアするために思考を集中させることや、手先を動かすことなどもワーキングメモリのトレーニングにつながります。
ワーキングメモリの働きを活性化するのにおすすめの栄養素&レシピ
話し上手になるにはワーキングメモリの働きを鍛えるばかりではなく、働きを助ける栄養を摂取することも大切です。認知機能を改善し、ワーキングメモリの働きの活性化をサポートする栄養素を紹介します。
認知機能の改善に役立つ「イミダゾールジペプチド」
認知機能改善のため、積極的に摂取したいのがイミダゾールジペプチド(以下、イミダ)です。イミダはさまざまな生物の中に存在する成分で、人間にも存在しています。継続的に摂取することで脳血流促進に効果的で、記憶力の維持をサポートすることが報告されています。認知機能の改善を目指したい人は、ぜひ毎日の食事にイミダを取り入れてみてくださいね。
イミダが摂れるおすすめレシピ「鶏肉のミートパスタ」
「鶏肉のミートパスタ」はイミダを400mg摂取できるメニューです。簡単に作れるので、昼食や夕食などのメニューに加えてみてはいかがでしょうか。
【材料(2~3人前)】
- 鶏むねひき肉…100g
- たまねぎ…100g(1/2個くらい)
- にんじん…60g
- エリンギ…60g(中2本くらい)
- 固形コンソメ…1個(5g)
- トマトケチャップ…60g
- 塩こしょう…少々
- サラダ油…小さじ2
- スパゲッティ(乾麺)…200g
【作り方】
- たまねぎ・にんじん・エリンギをみじん切りにする。固形コンソメも細かく刻む
- フライパンに油をひき、鶏むねひき肉を炒める。途中で塩こしょうを加える
- 鶏むねひき肉の色が変わったら、みじん切りにした野菜・きのこを加える。しんなりしてきたらコンソメも加える
- ケチャップを加え、塩こしょうで味を整える
- スパゲッティを茹で、茹で上がったらお皿に盛り付けてミートソースをかける
ワーキングメモリの働きを活性化させて話し上手になろう
話し上手であることには、脳のワーキングメモリが大きく関わっています。そして、ワーキングメモリの働きを活性化することで、誰でも話し上手になることが可能です。トレーニング方法は会話を増やしたり日記をつけたり、日常の中でできるものばかりなので挑戦してみてはいかがでしょうか。また、認知機能を改善し、ワーキングメモリの働きの活性化を助けるための食事も意識してみてくださいね。