プロテインは、身体を鍛えたい時に飲むイメージが強いかもしれませんが、実は健康維持にも効果的です。普段の食生活に加え、栄養補助食品として取り入れるのがおすすめです。本記事では効率よくプロテインを摂取する方法や、プロテインを取り入れる際の注意点などを紹介します。健康的な身体づくりを目指す人は参考にしてください。
プロテインとは
本来プロテイン(protein)とは、英語でたんぱく質を意味する言葉ですが、日本において一般的にはたんぱく質を補えるサプリメントを指します。パウダーやドリンクの他にもさまざまなタイプのプロテイン商品があります。
プロテイン=たんぱく質
普段、私達が口にする食品の中でプロテイン(たんぱく質)が含まれているものは、主にお肉・お魚・乳製品・大豆などです。
しかし、これらの食品には脂質も含まれているため、身体に必要なたんぱく質を普段の食事で補おうとすると、余分な脂質まで一緒に摂る可能性があります。
一方、プロテインは低脂肪でありながら、高たんぱくであるのが特徴です。プロテインを取り入れれば余分な脂質を摂らずに済み、たんぱく質を効率的に摂取できます。
代表的なプロテインは3種類
プロテインの種類は豊富ですが、なかでも代表的なのはホエイプロテイン、カゼインプロテイン、ソイプロテインの3種類です。それぞれで特徴が異なるため、うまく使い分けるのが摂取のコツです。
プロテインの種類 | 特徴 |
---|---|
ホエイプロテイン | 低カロリー・吸収率が高い・吸収速度が速い |
カゼインプロテイン | 吸収速度がゆっくり |
ソイプロテイン | 吸収速度がゆっくり・腹持ちが良い |
ドリンクやスティックなど、形状はさまざま
プロテインはパウダーだけでなく、ドリンクやスティック、チョコレートバー、ゼリーなどいろいろなタイプが販売されています。なかでも水や牛乳などの液体に溶かして飲む、パウダータイプが一般的と言えるでしょう。
これらの製品にはたんぱく質はもちろん、それ以外の栄養素も含まれていますが、含有量は形状によってまちまちです。「手軽に摂取したい」「プロテインの摂取と同時に満足感も得たい」など、希望や用途に合わせて自分に合ったタイプを選ぶと良いでしょう。
健康を維持したいすべての人にプロテインがおすすめな理由
プロテインは「健康を維持したい」と思っているすべての人におすすめです。ここではその理由や、たんぱく質の重要性に迫ります。
たんぱく質が身体・エネルギーを作るのに重要であるため
たんぱく質は筋肉を始め、内臓、血液、髪の毛、皮膚など身体の多くの部分を作るのに必要な栄養素です。その他、やる気を出す「ドーパミン」や、心身の安定につながる「セロトニン」などの生成にもたんぱく質が関わっています。性別・年齢別で見る、1日あたりの適正なたんぱく質摂取量※は以下の通りです。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
50~64歳 | 65g | 50g |
65~74歳 | 60g | 50g |
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
上記摂取量を参考にしつつ、毎食20gを目安にメインのおかずでたんぱく質を必ず摂ることを心がけましょう。なお、たんぱく質の重要性については、以下サイトも参考にしてください。
プロテインが栄養補助食品であるため
プロテインは、栄養補助食品の一つです。「身体を鍛えている人が摂取するもの」というイメージが強いかもしれませんが、実はそうではありません。身体を鍛えているかどうかにかかわらず、身体づくり・健康維持のために誰でも摂取しても良いものです。プロテインを取り入れることで、身体づくりに必要なたんぱく質を適正量摂取できます。
食品からたんぱく質を摂取すると、一度アミノ酸に分解されてから吸収されるため、身体に吸収されるまでに少し時間がかかってしまいます。一方、プロテインはもともと身体に吸収しやすいよう作られているので、食品から摂取するたんぱく質よりも効率的に吸収することが可能です。つまり、身体を鍛えていない人でも、プロテインを利用するメリットがあると言えるでしょう。
効果的なプロテインの取り入れ方
次に、より効果的にプロテインを取り入れる方法について解説します。プロテインを摂取するタイミングや栄養バランスを考慮することが大切です。
プロテインの種類と摂取タイミングを考慮する
摂取するタイミングに合わせてプロテインの種類を変えると、より効果を高められます。
摂取するタイミング | プロテインの種類 | 効果 |
---|---|---|
運動後45分以内(ゴールデンタイム) | ホエイプロテイン | ・筋肉への栄養補給と回復を狙える
・スポーツドリンクなどの糖質と一緒に飲むと、筋肉の回復スピードが上がる
|
朝食時 | ホエイプロテイン カゼインプロテイン
|
・寝ている間に消費したたんぱく質を補給する |
間食時 | カゼインプロテイン ソイプロテイン
|
・食べすぎを防止する ・運動1時間前に摂取すれば、筋肉の分解を防止できる
・プロテインがアミノ酸に分解され、身体に供給される(身体の回復を助ける)
|
就寝前 | カゼインプロテイン ソイプロテイン
|
・筋肉を鍛えるのを手助けする成長ホルモンの働きを促進する ・寝ている間にたんぱく質をゆっくり補給・筋肉の回復を助ける
|
あくまで栄養補助として摂取する
プロテインはあくまで栄養補助が目的のものであり、食事の代わりにはなりません。食事をした上でプロテインを摂取するのが基本です。昨今は食事スタイルが多様化していることから、食事だけで栄養バランスを整えるのが難しいこともあるでしょう。特にたんぱく質は不足しやすい傾向にあります。不足したたんぱく質をプロテインで補えば、栄養バランスを整えられます。
なお、サプリメントを活用して普段の食事で不足している栄養を補助するのもおすすめです。人間の脳や筋肉には、イミダゾールジペプチド(以下、イミダ)という物質が存在します。それを食品やサプリメントとして摂取することで、抗疲労効果・運動パフォーマンスの向上が期待できます。
健康維持のためにプロテインを摂取する上での注意点
身体を鍛えている人・そうでない人にかかわらず、プロテインは身体づくりに有効なものですが、摂取する際はいくつか気を付けるべき点があります。注意点をしっかり理解した上で上手に取り入れましょう。
たんぱく質の摂取量を考慮する
プロテインを摂取する際は、たんぱく質の摂取量を必ず守りましょう。たんぱく質の分解には肝臓と腎臓が関わっています。摂取量が多すぎると分解しきれず内臓に負担がかかり、体調不良につながる恐れがあります。
また、1回あたりの摂取量にも注意が必要です。一度にたくさん摂取すると、消化吸収がうまくできない場合があります。一度にまとめて摂取するのではなく、時間をおいて小分けに摂取すると良いです。
カロリーに気を付けて摂取する
プロテインは、カロリーに気を付けて摂取することも大切です。プロテインそのものは低脂質・低糖質ではありますが、組み合わせる食材によってはカロリーを過剰摂取してしまうことがあります。
特に、パウダータイプのプロテインを液体に溶かして飲む際には注意が必要です。牛乳やジュースなど、脂質や糖質が高い飲み物にプロテインを入れて飲むと、その分カロリーが増えてしまいます。パウダータイプのプロテインを使う場合は、カロリーゼロの水、もしくは低カロリーで食物繊維が豊富な豆乳などに溶かすのがおすすめです。豆乳なら味付きのプロテインとも相性が良いですよ。
健康診断前は摂取を控える
健康診断の前日・当日のプロテイン摂取は控えましょう。腎臓系の検査で正常な数値が出ない可能性があります。クレアチニン・尿素窒素の数値が高くなることがあるので注意してください。
プロテインを健康維持に役立てて
プロテインを摂取すると、身体づくりに欠かせないたんぱく質を効率よく補えます。プロテインの種類によって適切な取り入れ方は異なります。自分の目的に合わせてプロテインを上手に取り入れ、健康な身体づくりをしましょう。