認知症の医療費ってこんなに!?今日からはじめる認知症対策

#イミダゾールジペプチド #医療費 #認知症

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2019年、金融庁の報告によって話題を呼んだ「老後2,000万円問題」。病気になったり介護が必要になったりした場合にも、費用がかかりますよね。2025年には、65歳以上の5人に1人は認知症になるといわれている日本。実際に認知症と診断されたら、年間どのくらい医療費がかかるのでしょうか。備えておきたい認知症対策も紹介します。

この記事の監修医師
伊藤たえ先生/医療法人社団 赤坂パークビル脳神経外科 菅原クリニック 東京脳ドック 院長

伊藤たえ先生/医療法人社団 赤坂パークビル脳神経外科 菅原クリニック 東京脳ドック 院長

脳神経外科、脳卒中専門医として、脳ドック、頭痛、認知症、頭部外傷、脳卒中などの診療に励む。患者様が安心でき、笑顔になれるよう丁寧な説明がモットー。

年々増える認知症患者

厚生労働省が行った「国民生活基礎調査(2013年)」によると、65歳以上の高齢者の半数近くが、病気やけがなどの何らかの自覚症状を訴えているといいます。そのうち、日常生活に影響がある人は約4分の1。起床や衣服着脱、食事、入浴などの「日常生活動作」への影響がある人の割合が高くなっています。
また65歳以上の認知症患者の数は、2012年は462万人でしたが、2025年には約700万人(約5人に1人)になると見込まれています[1]。

外来治療で月3万9600円の認知症治療

医師の問診を受けるシニア男性のイメージ画像
2014年に発表された「わが国における認知症の経済的影響に関する研究」[2]では、認知症にかかる医療費は、以下であると報告されています。
  • 外来:月3万9600円程度
  • 入院:月34万4300円程度
これは、レセプトと呼ばれる診療報酬明細書をもとに試算された結果です。入院の平均値は34,430点、外来は3,960点で、現在1点は10円と換算されるため、上に示した金額になります。この点数による金額をもとに計算した例を紹介します。
※認知症以外の疾患はない場合の単純計算です。基礎疾患などの健康状況によっても金額は左右されるので、あくまで参考としてお考えください。

【事例①】働き盛りの55歳男性の場合

上場企業の部長クラス。最近、仕事でも家庭でも物忘れがひどくなる。仕事に支障を来してきたので念のために受診。55歳で若年性認知症と診断される。認知症以外の疾患などはなし。
診断から10年、65歳まで生きたとしての試算(単純計算)。
  • 外来:475万2000円
  • 入院:4131万6000円

【事例②】定年間近の夫をもつ65歳女性の場合

夫の定年後は、一緒に旅行や趣味などを楽しみたいと考えている専業主婦。最近ガスを消し忘れたり、人の顔や名前が思い出せなかったりするため受診。アルツハイマー型認知症と診断された。
診断から7年、72歳まで生きたとしての試算(単純計算)。
  • 外来:332万6400円
  • 入院:2892万1200円
事例①②で示した医療費は、国民健康保険や社会保険における自己負担額を計算する前の金額です。次に、自己負担分を踏まえて試算してみましょう。

自己負担額を踏まえた場合の認知症治療費は?

下の表のように、医療費の自己負担額は年齢や所得によって異なります。
一般・低所得者 一定以上の所得者 現役並み所得者
75歳以上 1割負担 2割負担 3割負担
70~74歳 2割負担
6~69歳 3割負担
0~5歳 2割負担
68歳で認知症と診断されてから8年、76歳まで生きたとして試算します。

現役並み所得者(入院なし・外来のみ)

入院せずに外来に通い家で看取る場合、3割負担です。76歳までの医療費は114万480円の試算になります。

一般・低所得者(75歳から入院する場合)

  • 68歳~69歳(2年間):3割負担で28万5120円
  • 70歳~74歳(5年間):2割負担で47万5200円
  • 75歳から入院することになり、亡くなるまでの1年間を入院で過ごす場合、1割負担で41万3160円
合計117万3480円の試算になります。

一般・低所得者(入院なし・外来のみ)

  • 68歳~69歳(2年間):3割負担で28万5120円
  • 70歳~74歳(5年間):2割負担で47万5200円
  • 75歳(1年間):1割負担で4万7520円
合計80万7840円の試算になります。

認知症治療は医療費負担だけではない現実

頭の疲れを感じている高齢男性のイメージ画像
保険によって自己負担が1割〜3割であっても、金額がかさむことがわかりますね。これに加え、通院に必要な交通費や介護費などがかかることも考えられます。
また認知症になると、生活リズムが変化して昼夜逆転したり、何度も同じことを尋ねたり、怒りを抑えられなくなったりします。自宅で認知症の人を介護する場合は、家族の根気強いサポートが必要になるでしょう。

できるだけ早く始めたい認知症対策

認知機能低下のサインは、若いうちから出てくるといいます。
  • 今日の日付がパッと出てこない
  • 会議の日時を間違えた
  • 用事をすっかり忘れた
  • 皿を割ることが多い
  • 足の指を角にぶつける
  • 人の名前が思い出せない
  • 物事に集中できない
これらは認知症の手前の状態である軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment:MCI)よりも、もっと軽い認知機能低下のサインだと考えられています。心当たりがある人もない人も、認知機能対策は早めが肝心です。
高次脳機能のリハビリテーションの専門家である橋本圭司先生 (昭和大学医学部リハビリテーション医学講座 准教授)に話を伺った記事では、認知機能の低下を補う方法を紹介しています。ぜひチェックしてみてください。

適度な運動と健康的な食生活を

屋外で伸びをするミドル男性のイメージ画像
認知機能の危険因子として、高血圧、大量の飲酒、肥満、喫煙、運動不足、糖尿病などが挙げられます。認知症対策には、適度な運動や栄養バランスの取れた健康的な食事、十分な睡眠なども欠かせません。
運動はウォーキングやジョギングなど、1日30分以上の有酸素運動が効果的です。また運動の前後には、高たんぱく・低脂質な鶏むね肉がおすすめです。鶏むね肉には、認知機能の維持に役立つ成分「イミダゾールジペプチド(イミダ)」が豊富に含まれています。

イミダが認知機能の維持に役立つメカニズム

モチベーションと積極的な思考のイメージ。人の頭のシルエットと空の画像
認知機能は、脳の神経細胞がダメージを受けると低下してしまいます。その主な原因として、以下の2つが挙げられます。
  • エネルギーを作り出すときに使われる酸素や糖分によって、脳の神経細胞の一部が酸化(サビつき)や糖化(コゲつき)を起こす
  • 加齢によって脳の神経細胞が徐々に減少していき、脳が萎縮する
イミダには酸化・糖化を防ぐ働きと、脳の神経細胞を活性化する因子を増やす働きがあると考えられています。
※医師による監修はここまでです。監修医師が特定商品への保証や購入等を推薦するものではありません。

酸化・糖化を防ぐ

イミダゾールジペプチド(イミダ)は、カルノシン、アンセリン、バレニンといったジペプチドの総称です。ジペプチドとは、2つのアミノ酸がつながったものを指します。イミダそのものの構造上、酸化や糖化を防ぐ作用があると考えられています。イミダの量が多ければ多いほど、酸化や糖化を防ぐ作用が強くなるというイメージです。

脳にいい因子(BDNF)を増やす

BDNF(脳由来神経栄養因子)は、脳の神経細胞を活性化したり増やしたりする働きをもつ、たんぱく質の一種です。イミダがBDNFを増やすことで、神経細胞同士をつなげるような働きをしたり、神経細胞を活性化したり、保護したりすると考えられています。
イミダを経口摂取することで認知症スクリーニング検査のスコアが改善した[3]、記憶力テストのスコアを維持した[4]、などの研究結果が報告されています。詳しくは「なぜイミダは記憶力の維持に良いの?【研究者に聞く】」の記事をご覧ください。

イミダは肉や魚、サプリからもとれる

棒々鶏(バンバンジー)の画像
認知機能の維持に役立つイミダは、鶏むね肉や豚肉のほか、カツオ・マグロ・サケなどの魚肉にも含まれています。また基本的にイミダを摂りすぎて問題になることはないので、サプリメントで摂取するのも方法の一つです。「取り入れやすい」「続けやすい」と思えることから始めてみましょう。

若々しく社会で活躍するために認知症対策を

認知症対策は健康的な生活がベースになります。キレのあるアタマとカラダを維持することで、将来の医療費の削減はもちろん、現役世代はより高いパフォーマンスが発揮できるでしょう。生活習慣を見直しながら、認知機能維持のサポートとしてイミダを活用してみてはいかがでしょうか。
[1]「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」(平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業)
[2]「わが国における認知症の経済的影響に関する研究」(平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業)
[3]W Maruyama, et al. NEUROSCIENCE 2012, 2012-S-4800-SfN
[4]Hisatsune T et al. Journal of Alzheimer‘s Disease 2016; 50: 149-159