季節の変わり目は「寒暖差疲労」に注意! 予防に重要な日々の過ごし方とは

#寒暖差疲労 #自律神経

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寒暖差疲労とは、季節の変わり目や空調の効いた部屋と外の温度差など激しい気温変動が原因で起こる疲労のことです。例えば、冬から春などに身体が疲れやすいと感じる人は、寒暖差疲労の可能性があります。本記事では、寒暖差疲労の概要や発生しやすい不調の特徴・原因などを解説します。また、寒暖差疲労に対する対処法や予防法なども見ていきましょう。

寒暖差疲労について

倦怠感を感じている女性
寒暖差疲労とは、身体が寒暖差の著しい環境におかれることで発生する疲労のこと。まずはそのメカニズムと、寒暖差疲労が起こる可能性を自分で確認できるチェックリストを紹介します。

寒暖差疲労が起こるメカニズム

人の身体は寒暖差を感じた場合、自律神経(臓器に働きかける神経)が反応して自動的に体温を調節する仕組みになっています。
通常、自律神経の切り替えは緩やかに行われますが、寒暖差が激しくなると頻繁に切り替わるのです。それによって臓器へ負担がかかり、疲労が発生することがあります。これが寒暖差疲労が起こるメカニズムです。

自己チェックリスト

次のような症状・お悩みに3個以上当てはまる場合は、寒暖差疲労が起こっている可能性があると考えられます。
寒暖差疲労のチェックリスト

・暑さや寒さが苦手である
・季節の変わり目は体調を崩すことが多い
・室内の空調設備が苦手である
・夏に熱中症になったことがある
・代謝が悪く、冷え性やむくみが起こりやすい
・冬は寒さで寝つきが悪くなる
・パソコンやスマホの使用時間が長い
・寒い場所から暖かい場所に行くと、身体がほてる

寒暖差疲労で見られる主な症状

不調な様子で頭を押さえる女性
寒暖差疲労によって、身体やメンタルにはさまざまな不調が表れます。ここでは寒暖差疲労により見られる主な不調について、身体的と精神的の両面から見ていきましょう。

身体的な症状

肩こり・頭痛・めまい・腰痛・不眠・食欲不振・便秘・下痢・むくみ・倦怠感
寒暖差疲労では、上記のような身体的不調が発生しやすくなります。また、体温調節に体内のエネルギーが大量に消費されることにより、冷えも起きやすいと言われています。

精神的な症状

イライラ・不安・気分の落ち込み
寒暖差疲労では、上記のような精神的な不調も発生しやすくなります。これら身体的・精神的な症状や不調をそのままにすると、慢性的な不調になってしまうかもしれません。毎日元気に過ごすためには、寒暖差疲労の対処や予防が不可欠です。

寒暖差疲労が起こる原因

だるさを感じている男性
寒暖差疲労は、主に季節の変わり目や屋内外の寒暖差によって起こります。何が原因となるのか理解しておくことで、対処や予防に役立てることができるでしょう。

季節の変わり目による気温差

気温差が激しい季節は寒暖差疲労が起こりやすくなります。具体的には、前日との気温差が最低5~7℃以上あると、寒暖差疲労につながりやすいので要注意です。秋から冬、または冬から春など、季節の変わり目で気温の変化が激しくなる時期は、寒暖差疲労が発生しやすいタイミングです。
さらに、暖かい春のイメージがある4月も、日によって気温が大きく変化したり、昼夜で大きな気温差が発生したりするため、寒暖差を感じやすい時期と言えるでしょう。

屋内と屋外の気温差

寒暖差疲労は、屋内外の温度変化によっても発生しやすくなります。例えば、夏場に暑い屋外と冷房の効いた屋内を移動する際は、急激な温度変化で寒暖差疲労が起こる場合があります。冬場に寒い屋外と暖かい屋内を行き来する際も同様です。
これは、身体が寒暖差に慣れていないことが原因と考えられるでしょう。冷暖房の効いた屋内で長時間過ごした身体は、外気温に慣れていません。その状態で気温や温度変化が生じると自律神経の働きが乱れやすくなり、寒暖差疲労につながってしまうのです。

寒暖差疲労の対処&予防法

気温や温度の著しい変化が招く、寒暖差疲労。さまざまな不調をきたす可能性がありますが、日常のちょっとした工夫で対処や予防をすることができます。ここでは、具体的にどのようなことに気を付ければ良いのか紹介します。

寒暖差の少ない環境をつくる

明るく爽やかな室内で過ごす女性
寒暖差疲労は激しい温度差によって発生するため、身体が極力温度変化を感じない環境をつくることが大切です。冷暖房を使用する際は、外気温とあまり差が出ないよう温度調整に気を配りましょう。また、室温が頻繁に変わることも寒暖差疲労につながるので、一定の室温を保つよう意識することも必要です。
ただし、冷暖房に頼り過ぎると自律神経の働きが悪くなります。必要ない時は冷暖房を使用せず、自分で体温調節できるようにすることも大切です。
  • 温度が下がったら上着を羽織る
  • 暑ければ上着を脱ぐ など
寒暖差が大きくならないよう、衣服もこまめに調整することを心がけてみてください。

入浴をして身体を温める

入浴している男性
入浴により、身体を温めることも疲労回復に効果的とされています。寒暖差疲労で起こりやすい冷え対策になるだけでなく、血行が良くなることで身体に溜まった疲労物質の解消も期待できます。また、入浴は副交感神経を活性化するのに効果的なため、身体がリラックスした状態となり、寝つきも良くなることでしょう。
入浴時のポイントは、ぬるめのお湯にゆっくり浸かること。38~40℃くらいのお湯に、肩まで10~20分浸かります。入浴は1日1回毎日行うのが効果的で、シャワーよりも入浴が理想です。シャワーで済ませる場合は、42℃程度の熱めのお湯を首から肩甲骨の間まで30秒~1分ほど当てると、身体が温まりやすくなります。

規則正しい生活を送る

気持ちよさそうに眠る女性
不規則な生活は自律神経の乱れにつながり、寒暖差疲労が発生しやすくなります。自律神経のリズムを整えるためには、規則正しい生活を送ることが重要です。
例えば、眠りやすい状態をつくって睡眠の質を上げることも、寒暖差疲労の対策としておすすめです。ぐっすりと眠れる質の良い睡眠をとるために、以下のことを意識しましょう。

<眠りやすい状態をつくるポイント>

  • 日中は太陽に当たり、睡眠に関わる物質であるセロトニンを増やす
  • 個人差はあるが、睡眠は7時間を目安にとる(23~6時頃が理想的)
  • 入浴をして身体を温める
  • 寝る前は、交感神経を活性化させるパソコン・スマホなどの明るい画面を見ない

身体を動かす

運動をする男性
身体を適度に動かすことも、寒暖差疲労の対策としておすすめです。軽い負荷をかけ、身体を温めることで冷えの改善が期待できます。また、筋力や体力をつければ自律神経も鍛えられ、疲れにくくなるでしょう。ウォーキング(散歩)やストレッチなど、手軽にできて負担の大きすぎない運動が良いです。特に、ストレッチは筋肉を緩めることで副交感神経を優位にするのに役立ちます。
その他、日常動作の中で意識的に身体を動かすのも良いでしょう。例えば、移動の際はエレベーターやエスカレーターではなく階段を使用する、バスや電車に乗る際は座らずに立つ、座っている時は膝に力を入れて閉じるなどです。何気ない動作の中で、少し身体に負荷をかけることを意識してみてください。

食事内容に気を付ける

シニア夫婦の食事風景
食事に気を配ることも、寒暖差疲労の対策として重要です。身体を温める食材を積極的に取り入れましょう。
【食材例】ニラ・ネギ・生姜・根菜類 など
これらの食材を入れたスープや白湯、鍋物など、温かいものを摂取すると体が温まります。
また、栄養バランスのとれた食事をし、身体の調子を整えて疲労を溜めにくい身体づくりをすることも大切です。エネルギー源となるたんぱく質、疲労回復に効果があるビタミンB群は特に意識したいところです。
その他、疲労軽減効果があるイミダゾールジペプチド(以下、イミダ)の摂取もおすすめです。

イミダは身体的疲労感と精神的疲労感の軽減が期待できる

野菜と鶏ひき肉のとろとろスープ
イミダは身体的疲労感に加えて、精神的疲労感を軽減する働きを持つ物質です。積極的に摂取して、身体や精神の疲労感をケアしましょう。おすすめは、イミダが豊富に含まれる鶏むね肉を食事に取り入れる方法です。
鶏むね肉や、身体を温めるショウガが含まれているスープレシピはこちらをご覧ください。

日常の過ごし方を意識し、寒暖差疲労に負けない身体をつくろう

笑顔の女性
寒暖差疲労は季節の変わり目など、急激な温度変化が原因で起こるものです。身体や精神にさまざまな不調をきたす可能性があるので、日常の中で予防・対処していきましょう。

入浴や睡眠を始め、運動や食事など日々の生活を意識することで、寒暖差疲労を防げる可能性があります。この記事を参考に日常の過ごし方に気を付けながら、寒暖差疲労に負けない身体をつくりましょう。